シェールガスがもたらす日本への恩恵【わかりやすく解説】石油勢力図が塗り替えられる?

シェールガスによって一気に資源大国になり得たアメリカ。今後の数百年にわたって、世界のエネルギー源になる可能性が高いといわれていますが、シェールガスとは、そもそも何なのでしょうか。

そこで、今回はシュールガスの実態やアメリカが資源大国になり得る理由、日本への影響についてわかりやすくまとめていきます。

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シェ―ルガスとは?

シェールガスとは、世界の約4割がアメリカにあるとされている新型天然ガスのことで、主成分はメタン。頁岩(けつがん)とよばれる堆積岩の層から取れ、砂岩に貯留している従来型ガスとは違うため、『非在来型天然ガス』とも呼ばれています。

アメリカが資源大国となり得る理由

アメリカに埋蔵しているシェールガスの多くは2000mもの深い地層にあり、技術もなかったため、長らく掘り出せませんでした。しかし、2000年以降から事態は一変。採掘の技術革新によって、安いコストで石油や天然ガスを掘り出せるようになったことがアメリカに転機を与えました。

多くのシェールガスが残るアメリカでは、技術革新後から採取を本格化させ、一方では原油の輸入量が激減したのです。

『シェール革命』を機に、アメリカはシェールガスの輸出を開始し、最大のエネルギー消費国から天然ガスの資源大国に生まれ変わろうとしています。その勢いは、最大の石油輸出国のサウジアラビアを抜いて原油生産量がトップになる可能性もあるほどともいわれています。

一方で、アメリカという資源大国の誕生を歓迎できないのが、石油産出国。現在、アメリカ産のシェールガスの台頭によって、OPEC(石油輸出機構)などの産油国は市場を大きく失いつつあります。

さらに、アジアにおいてアメリカ産のシェールガスとの対峙を余儀なくされており、サウジアラビアを筆頭に石油産油国は苦境に追い込まれているといえるでしょう。

日本への影響

2018年5月、東京ガスと契約したアメリカ産シェールガスをのせたタンカーが初めて日本に到着しました。天然ガスの量はおよそ7万トン。

今後、日本の大手ガス会社がこぞってアメリカ産のシェールガスを導入する見通しですが、長期的に契約した日本国内の企業は、東京ガスが初めてです。

このたびの日本側のメリットは、3つあります。

輸入先の選択肢が増える

日本メリットとして、輸入先の選択肢が増えることがあげられます。今まではオーストラリアや東南アジア、中東がメインだった輸入先に、アメリカが加わるのです。

輸入先が増えると価格高騰のリスクに備えることもできますし、なによりアメリカという経済的に安定した国から供給できるのは日本にとっても大きなポイントといえるでしょう。

日本国内の需要のバランスがとりやすい

基本的に荷揚げする港以外には天然ガスは転売してはいけません。しかし、アメリカ産のシェールガスは日本が別の国に転売することも可能です。

日本国内に余ってしまった場合も転売できるのであれば、需要のバランスもとりやすくなりますね。

日米間の貿易関係の是正

日本がアメリカ産のシェールガスを買うということは、アメリカの輸出が増加するということです。保護貿易を進めるアメリカにとっても、『日本』という輸入先の確保はメリットになります。

アメリカ産のシェールガスの導入は大手ガス会社だけでなく、日米間の貿易関係の是正にもつながる、というわけです。

まとめ

当初シェールガスは他の資源よりも地球にやさしい資源だといわれていました。しかし、近年では石油や石炭など他の資源と比べて温室効果が高いという研究結果が出されています。
また、誘発地震の可能性も示唆されていて、環境への負荷が心配されています。

主要先進国のなかで唯一、資源国と生まれ変わろうとするアメリカ。アメリカの勢いは、『石油勢力図』だけでなく『先進国と資源国』という世界のパワーバランスに対しても大きな変化をもたらすでしょう。

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