「裁量労働制」にひそむ3つの問題点とは?結局、メリットは何なの?【わかりやすく解説!】

対象職種の拡大をめぐって国会で注目されていた「裁量労働制」。

2018年春の国会では、裁量労働制の拡大は見送られましたが、働き方に関係するとても需要なキーワードであり、まったくの他人事ではありません。

そこで、今回は裁量労働制について、中身や対象となる業務、問題点についてわかりやすくまとめていきます。

 

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裁量労働制とは何か?

裁量労働制の主な特徴として以下の3つがあげられます。

・労働者の裁量が大きい
・出勤時間の制限がない
・対象は法律が認めた業種のみ

裁量労働制は成果を重視する制度であり、特定の専門範囲の業務を担う者について、きちんと成果さえ上げていれば実労働時間は短くても契約時間内の労働をしたとみなす制度です。仕事のすすめ方や時間配分は、労働者の裁量にまかされています。

たとえば、契約労働時間を1日7時間とした契約を結んだ場合です。そうすると、実際の仕事の成果をあげるまでにかかった時間が4時間だろうと12時間だろうと、労働時間は7時間とされ、もちろん残業代は出ません。
労働の量よりも質をメインとし、時間外労働という概念がないのです。

 

対象となる職種はどんなもの?

裁量労働制には、2種類あります。

・専門業務型
・企業型

どう違うのか、くわしくみていきましょう

 

専門業務型裁量制とは

この制度は、業務の性質上、成果を上げるための手段や時間配分などについて大幅に労働者の裁量にまかせる必要がある業務を対象としたものです。制度の対象となる業種は限られており、それらは以下の通りです。

・デザイナー
・プロデューサー/ディレクター
・コピーライター
・システムコンサルタント
・インテリアコーディネーター
・ゲーム用ソフトの創作
・証券アナリスト
・金融工学などの知識を用いる金融商品の開発
・新商品などの研究開発や人文/自然科学に関する研究
・情報システムの分析、設計
・新聞などの取材、編集
・大学教授の研究
・公認会計士
・中小企業診断士
・弁護士
・建築士
・不動産鑑定士
・弁理士
・税理士

このように、対象となる業務は19種のみ。

導入には、労使協定に対象となる業務や労働時間、健康確保の措置などを定めたうえで、労働基準監督署に届け出る必要があります。

 

企画業務型裁量労働制とは

この制度は、企業の本社などでの事業運営の企画や立案、調査や分析業務を担う者を対象としたものです。

上記にある専門業務型とはちがい、具体的な業務が対象となっているのではなく、「事業運営に決定権をもつ場所」「業務」「労働者」のすべての条件がクリアしていなければ適用されません。

 

裁量労働制にひそむ3つの問題点

表向きは労働者の自由な働き方を推進している制度ですが、多くの問題点をかかえています。

なかでも、注目しておきたい問題点は以下の3つです。

・対象業務外の仕事をこなした場合
・みなし時間との差
・休日出勤の賃金未払い

 

対象業務外の仕事をこなした場合

たとえば、情報システムの分析の仕事が全体の6割程度として、およそ4割は営業の仕事をこなしているのに、すべての仕事が対象とみなされる可能性も。

19種類の専門業務の対象外の仕事をしていても、対象内とされるケースも考えられるのです。

 

みなし時間との差

みなし時間は、本来はそれまでの労働環境や平均労働時間をベースにして決めます。しかし、企業によっては実際に働いた時間とみなし時間に大きく差が出ることを予想できるにもかかわらず、みなし時間を短めに設定してくる可能性も。

裁量労働制では労働時間の概念が強くないため、みなし時間内に終わらずサービス残業として長時間労働になってしまうかもしれません。

 

休日出勤の賃金未支払い

仕事量によっては、成果を残すために休日に出勤する必要もあります。いくら成果重視といっても、休日も働かせるという制度ではありません。しかし、企業によっては時間外労働として認めず、サービス残業と処理されることも考えられます。

 

まとめ

直近の法改正では裁量労働制の拡大される見込みはありません。

また、裁量労働制は今までの日本の働き方と異なるため、導入していない会社もいまだ数多くあります。しかし、労働者の多様な働き方を実現するために、近い将来に裁量労働制の拡大を盛り込んだ労働基準法改正案が再び議論される可能性も十分です。

自分にあった働き方を選ぶためにも、裁量労働制の内容や問題点について、理解しておきましょう。

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