なぜ非正規雇用は増え続けるのか|非正規雇用の格差や背景をわかりやすく解説

非正規社員の数は年々飢えており、2018年には雇用者全体の4割以上が非正規雇用者であると公表されています。

2008年をピークに日本の人口が減少している一方で、なぜ非正規雇用者は増え続けているのでしょうか。

今回は、現在の非正規雇用者の割合や背景、問題点についてデータ数値を用いて解説します。

 

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増加する非正規雇用者たち

非正規雇用者は1994年以降、年々増加傾向にあります。

厚生労働省の資料によると、1999年では非正規雇用者の割合は全体の29.4%だった非正規雇用率は、2006年になると30%台に、2018年には37.9%と年々高くなっています。
(参照:非正規雇用の現状と課題 https://www.mhlw.go.jp/content/000508253.pdf

 

企業が非正規社員を多く採用する理由

企業側が非正規雇用を多く採用するおもな理由は、以下の3つです。

・賃金の節約
・仕事の繁忙期に対応する
・即戦力の確保

正社員は労働契約法に強い保証があるため、安易に解雇できません。一方で、非正規社員は解雇しやすく、給与も低く、ボーナスも無いことがほとんどです。

「リスクを負わずに労働力を得たい」「最低限の人件費で会社の利益を増やしたい」「一時的な人不足に対応したい」というコストの低減を企業が求めた結果が、多く採用することにつながり、ひいては現在の正社員と非正規社員の間に広がる格差へとつながっています。

 

望まない働き方をしている割合

非正規社員として働いているものの、実は正社員になりたいと願う人の割合は2018年は全体2120万人のうち521万人。

約12.8%が現状の働き方に不満をもっているという結果が出ています。なかでも割合が高いのが25~34歳未満の若年層です。この層の割合はとくに高く、およそ5人に1人が不満を持ちながら非正規社員として働いています。

 

正規雇用と非正規雇用の格差

正規雇用と非正規雇用の待遇の格差は年々深刻な状況になっており、具体的には以下の4つがあげられます。

・低賃金
・雇用の不安定さ
・能力アップの機会が与えられない
・福利厚生

国税庁がおこなった民間給与実態統計調査(2017年)では、正社員と非正規社員の平均給与の差はおよそ319万円。
(参照:https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2018/minkan/index.htm
この差は年々広がっており、住宅関連の補助など福利厚生についても正規と非正規では違う扱いをする企業はまだまだ多い状況です。

また、長期雇用が前提の正社員と異なり、雇用期間が不安定で一定期間のみの労働契約となる非正規社員。

そのため、人材育成のための長期的な教育訓練を企業側が設けないことが多く、キャリアアップが困難となっています。

雇用主側の個人能力を活用するという意識が乏しく、依然として企業が格差是正に乗り気でないのが日本の現状なのです。

 

非正規雇用が増えた背景

非正規雇用割合として特徴的なのは、55歳以上の割合が年々増加しているという点です。
(参照:非正規雇用の現状と課題 https://www.mhlw.go.jp/content/000508253.pdf

なかでも、65歳以上は2008年から2018年までの10年間で約2倍に増えています。

この背景には以下の点があげられます。

・高齢化社会
・慢性的な人手不足
・定年退職後の再雇用の制度化
・年金の支給開始年齢の引き上げ

大量に定年を迎えた団塊世代が、無理のない働き方として非正規雇用を選択した結果が反映されているようです。人手不足が深刻化している今の日本にとって「シニア世代の労働力」は必要不可欠と言っても過言ではありません。

一方で、働き盛りの30代後半以上の中年フリーターも年々増加しています。

結婚適齢期を迎える年齢層のフリーターの増加は、未婚率の上昇、少子化問題だけでなく、低賃金による子どもの貧困など、さまざまな社会問題の隠れた一因となっています。

 

非正規雇用が増え続けている理由|まとめ

非正規雇用の全てが悪いわけではありません。

子育てや介護など1日で労働に使える時間が限られているなど、無理のない働き方ができるのが非正規雇用のメリットです。

ただ、本来であれば働き盛りの40歳前後の年齢層で非正規雇用が増加傾向なのは、経済全体にとっても由々しき事態であり、経済を支えるベースを弱める原因にもなりかねません。

手遅れになる前に、国は社会保障や雇用の安定など、長期的な対策・支援を強めて行くべきではないでしょうか。

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