日立製作所は子会社で東証1部上場の日立化成を、売却する方針を固めた模様。来月(2019年5月)早々に、売却先の選定に入るようです。
買収に関心を示しているのは主に、海外投資ファンドや三井化学といった企業。

 

今後、日立製作所はインフラやITに経営資源を集中させていく方針。日立化成といえばこれまでグループの「御三家」とされた企業でもありますが、聖域なきグループ再編を実施し、国際競争に勝つ体制を作っていくと思われます。

日立製作所は国内最大の電機メーカーのひとつ。2019年3月期の連結売上高は9兆4000億円、営業利益は7500億円を見込んでおり、国内外に900社近いグループ会社を持っている、国内、海外合わせても他に類をみない有数の企業集団ですね。

日立化成の売却によってグループ再編はいよいよ仕上げに入っていきます。

現在は日立製作所が51%の株式を保有しており、19年3月期の連結売上高は6900億円、営業利益は400億円を見込んでいます。

 

日立化成は5月にも買収を希望する企業を入札で募る見通しのようで、買収方法はTOB(株式公開買い付け)。それによって子会社化を目指したり、日立化成と買収企業の株式を交換する合併、といったパターンが考えられます。
ちなみに24日の株価終値は2621円、時価総額は約5460億円となっています。

TOBで完全子会社化を目指すとなると、現在の株価に一定のプレミアムを乗せる必要があり、買収総額としては6000億~7000億円になる可能性もありそうです。そのため、ファンドと事業会社が共同で買収を進めるケースもあるかもしれませんね。

 

日立製作所の東原敏昭社長は、全部で約900社あるグループ会社を数年間で500社程度まで整理・統合する方針です。

17年には半導体製造装置を手がける日立国際電気、18年にはカーナビゲーションシステムが主力のクラリオン売却など、グループ会社の整理を相次ぎ発表しました。そうした経営判断によって09年度末に22社あった上場子会社は既に4社まで減少しています。

とはいえ、世界で競合する独シーメンスなどに比べると、まだまだグループ会社が多岐にわたっているとの見方も多いようです。

 

日立製作所の時価総額は3兆円台半ば。シーメンス(約11兆円)やスイスのABB(約5兆円)に比べて小さく、世界の大手と戦うにはさらに統廃合や整理をして、事業の「選択と集中」が必要、といった厳しい声も出ていた模様。

日立化成はこれまで、グループ内では日立金属、日立電線(現日立金属)と並んで「御三家」と呼ばれた中核企業です。しかし、日立製作所としては今後の成長戦略とのシナジーが薄いと判断したわけですね。

 

日立製作所は注力するインフラやあらゆるものがネットにつながる「IoT」の分野でM&A(合併・買収)を進めていく模様。18年にはスイスの重電大手、ABBの電力システム事業を7000億円以上投じて買収すると決定しました。加えて、4月24日には米ロボットシステム開発会社を約1600億円で買収すると発表しています。

5月中旬には、新たな中期経営計画を発表予定ということで、今後の動きにも目が離せません。

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