香港200万人の大規模デモはなぜ起こったのか?【わかりやすく解説】

現在、香港では「逃亡犯条例の改正案を撤回」を求めて、約100万人以上の人が参加する大規模デモがおこなわれています。

6月16日にはデモ参加者数は200万人を超え、返還後かいせい最大規模のデモに発展したほどで、この抗議運動は現在も続いています。

しかし、そもそも、なぜここまで大規模なデモに発展してしまったのでしょうか。

今回は、香港デモのきっかけや要求、日本への影響について解説します。

 

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『逃亡犯条例』とは

『逃亡犯条例』とは、罪を犯した人が香港に逃げてきた場合、引き渡し協定を結んでいる国の要請次第で容疑者の身柄を引き渡す義務を定めたものです。

現在香港が協定を結んでいるのは、日本やアメリカなど20カ国で、中国本土やマカオ、台湾などとはいまだ結んでいません。

そのため、香港政府は「引き渡し簡略化と協定国の拡大」を目的とした『逃亡犯条例』の改正案を2019年4月に議会に提出しました。

 

香港デモの規模

6月9日におこなわれたデモの参加者はおよそ103万人です。香港の人口は約700万人なので、計算すると7人に1人が参加しているという状況ですね。

16日はさらに増え、200万人近くが参加。これは、100~150万人参加した1989年の天安門事件への抗議でもよりも多く、参加者は香港市民の4人に1人という計算になります。

現在でも、デモの収束のめどは立っていません。

 

改正による懸念点

デモでは改正案の完全撤回を要求していますが、具体的にはどのような懸念点があるのでしょうか。

香港政府の思惑

まず改正を進めたい香港政府の思惑は、以下の点が考えられます。

・香港が犯罪の逃げ込む場所にならないようにしたい
・法の抜け穴を防ぎたい

政府見解では、改正によって協定を結ぶ国を55カ国に増加させると発表しています。

懸念点

懸念点は以下の2つです。

・香港の安全崩壊
・一国二制度の崩壊

イギリスに統治されていた香港は、1997年に中国に返還された後も独立はせず、今も『一国二制度』のもと、中国の『独立自治区』として本土とは別の立法などが認められています。

しかし、逃亡犯条例を改正すれば、香港の『中国化』が進み、香港に住む一般人が適当な罪名を一方的につけられて中国当局の取り締まりの対象となる可能性があります。

中国政府は、昔から自国政府に批判的な人物であればタレントでもビジネスマンでも容赦なく取り締まりの対象に作り上げる国ですからね。

さらに、中国本土からの政治的圧力などによって香港が中国政府に従うしかなくなれば、『香港特別行政区基本法』の意味もなくなるかもしれません。

こういったことから…

・改正案の完全撤回
・林鄭月娥(りんてい・がつが)行政官の辞任
・催涙弾など使用の責任追及

などを訴える大規模デモが起こっているのです。

 

条例改正のきっかけになった出来事

きっかけとなった出来事は、2018年に起きた殺人事件です。香港のカップルの彼氏が、台湾旅行中に妊娠中の彼女を殺したのです。

事件後、彼氏は逮捕前に香港に帰国。台湾が身柄の引き渡しを求めるものの、香港当局は台湾との協定がないとの理由から要請を拒否しました。

この事件を機に、香港政府は引き渡し協定の拡大を求めて『逃亡犯条例』の改正を提案しました。

 

日本への影響

『逃亡犯条例』改正されれば、その対象は香港市民だけでなく香港に立ち寄ったり、通過するだけの外国人も含まれます。

つまり、適当な罪をなすりつけられて中国当局に捕まえられる、または資産凍結や押収される可能性が外国人にもあるのです。

また、改正されれば香港の自治が失われるため、自由貿易港として発展してきた香港金融市場はとてつもない損害を被ることになります。

中国の一都市に過ぎない状態になってしまった香港に対して、アメリカやイギリス、EUなどは関係の見直しを進めていくでしょう。

もちろん、香港に多数進出している日本企業も、今まで通りにいられないため、最悪引き上げの可能性すら懸念されます。

香港大規模デモ|まとめ

逃亡犯条例の改正がすすめば、香港市民だけでなく、香港で就職している外国人の安全も脅かされるでしょう。また、一国二制度が崩壊すれば香港は独立を求めて、さらなる動乱の可能性もあります。

これらの影響が、日本にないわけありません。香港で行なわれている大規模デモは、他人事ではないのです。

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