JOC竹田氏とフランス当局の食い違う主張とは?|東京オリンピック贈収賄疑惑をわかりやすく解説

2019年1月11日、フランスのル・モンド紙が報じた『JOC竹田会長の贈収賄疑惑』。

フランス当局が竹田氏を事情聴取し、正式捜査していることが明らかになっていますが、構図がややこしいため、今回の疑惑の内容はとてもわかりにくくなっています。

そこで今回は、JOC竹田氏の略暦や贈収賄疑惑の概要、食い違う両者の主張についてわかりやすく解説していきます。

 

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竹田会長の略歴

竹田恒和氏は1947年11月1日に旧皇族竹田宮恒徳王の三男として生まれ、慶應義塾大学法学部を卒業しています。

選手としてミュンヘン、モントリオールオリンピックに出場、その後もロスやバルセロナ、ソウルオリンピックではコーチや監督としてもオリンピックに携わってきました。

2001年には日本オリンピック委員会(JOC)の会長に就任して以来現在もJOC会長であり、さらには2012年には国際オリンピック委員でもあるという重鎮人物です。

 

贈収賄疑惑の概要

今回の贈収賄疑惑は、竹田氏が理事長を務めていた東京招致委員会がIOC委員を買収する目的で、2度にわたって約2億3000万円を関係する会社の口座に振り込んだのではないかというもの。

疑惑の構図の中心となるのは、1999年~2015年まで国際陸連の会長をしていたラミン・ディアク氏です。
彼は投票権を持つIOC委員の1人であり、2013年におこなわれたオリンピック開催都市選挙時には東京に票を入れています。

1度目に支払った金額は約9500万円で、振込先は、ラミン・ディアク氏の息子に関係する会社であるシンガポールの『ブラック・タイディングス社』。

一部の報道では、『ブラック・タイディングス社』はペーパーカンパニーであるともいわれています。つまり、この会社を隠れ蓑にして票を買ったのではないかとの疑惑が浮上しているのです。

そして、2カ月後に東京オリンピックが決定すると、同じ振込先に約1億3500万円がさらに振り込まれています。

 

竹田氏の主張

フランス当局から正式捜査が開始されたJOC竹田氏は、1月15日東京都で記者会見を開きました。

竹田氏は、約2億3000万円の振り込みについてはコンサル料として適切な対価であり、正式な業務委託だったとし、改めて買収疑惑に対する潔白を主張。フランス当局の捜査に全面的に協力するとの意向を示しています。

しかし、フランス当局が調査中の案件であるとの理由で質疑は受け付けず、あまりに短く終わったこの会見を『7分会見』と野次する声も上がっています。

 

フランス司法当局の主張

竹田氏の贈収賄疑惑について、フランス司法当局は基礎に向けた予備審問を始めています。
担当者は、フランスで数々の汚職事件を手掛けてきたことで有名な、ルノー・バン・リュインベック判事です。

竹田氏を逮捕なり起訴なり何とかしたいという強い意識をフランスが持っていることが想定できますね。

しかし、日本と犯罪人引き渡し条約を締結している国はアメリカと韓国のみで、フランスとは締結していません。そのため、フランス政府から身柄引き渡し要請があったとしても、原則として日本政府が引き渡しに応じるのは難しいでしょう。

 

まとめ

今回の問題は構図がややこしく、竹田氏はフランス当局に事情聴取をされたことは認めていますが、疑惑については否定しています。

民間人同士の賄賂も贈収賄として罪に問えるフランスとは違い、日本では贈収賄が当てはまるのは日本の『公務員』または『みなし公務員』のみとなっています。

そのため、たとえ竹田氏が国連の機関でもなく公務員でもないIOC委員に賄賂を渡していたとしても、東京地検特捜部が全面的に捜査に乗り出すことは難しいでしょう。

一部では『カルロス・ゴーン氏起訴への報復』だともいわれています。

贈収賄にとどまらず、日本とフランスの外交問題に発展していくかもしれない今回の疑惑について、今後も注視していきたいですね。

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