北朝鮮が飛翔体を発射|アメリカへの挑発、再び|金正恩氏の思惑を考察

韓国軍は4日、北朝鮮が午前9時6分頃から27分頃にかけて、東部の元山付近から東北方向の日本海側へ飛翔体を数発撃ったと発表。飛距離としては70~200キロメートルに及ぶとの事。

韓国軍は当初、短距離ミサイルが発射されたものとしていたが、飛翔体に表現を変更しました。

韓国の聯合ニュースは、飛行特性や軌跡などから新型の300ミリロケット砲なのではないか、との見方を伝えています。射程がバラバラである事から、複数種類の武器を発射した可能性もある模様。

 

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北朝鮮の思惑

北朝鮮が国際社会へ挑発を再開したのはアメリカとの協議がこう着状態に陥っているなか、瀬戸際路線への逆戻りをちらつかせてアメリカの関心を引こうとする思惑がある可能性がある。

決裂するかたちとなった2月末の米朝首脳会談後、北朝鮮は経済制裁の長期化、食糧不足など国内の課題に直面している。この苦しい状態を打開できないと、今後も挑発の度合いを徐々に高めていく可能性が高いと思われる。

 

北朝鮮は何を撃ったのか

北朝鮮が撃ったのがミサイルの場合、2017年11月に大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射して以来の事象となる。

韓国軍によると今回の飛翔体の飛行距離は70~200キロで、弾道ミサイルではない模様。ある程度抑制しているとはいえ、挑発の意思があるのは明らかだろう。

2018年から対話路線に転じた金正恩(キム・ジョンウン)委員長は、ミサイル発射凍結そのものを交渉カードにしてきたからだ。

 

アメリカへの挑発を再開する理由

挑発を再開したということは、北朝鮮国内の状況が苦しい事を表しているとも言える。金正恩氏にとってハノイで開いた2回目の米朝首脳会談の決裂は、大きな誤算だったのだ。

閣僚級協議が難航するなか、トップダウンでの合意を試みたものの、完全な非核化を条件とするトランプ大統領は金正恩氏の取引には乗らなかった。

 

ロシアへ協力を求めた北朝鮮

焦った金正恩氏は4月12日の演説では3回目の首脳会談にむけて意欲を示し、「年末までは米国の勇断を待つ」と自ら交渉期限を設定。加えて、4月25日に開いた初のロ朝首脳会談の場では、プーチン大統領に対して「自分の疑問をアメリカに伝えてほしい」と、トランプ氏への伝言も託している。

とはいえ、3日の米ロ電話協議での、トランプ氏の反応はあまり芳しくなかった模様。ホワイトハウスによると、トランプ氏は「ロシアが圧力を強化・継続することが重要だ」と述べており、改めて制裁継続の方針を強調しています。

 

北朝鮮の、今後の『可能性』

北朝鮮がアメリカに対して一方的な譲歩を求めるのは、やはり内部事情の苦しさが背景にある。軍や軍需産業の関係者はアメリカが求める非核化に反発しているし、4月の最高人民会議において金正恩氏が、新首相や国務委員会の幹部として軍需部門に精通した人物を登用したことからも、軍部の掌握に躍起になっている姿勢がわかる。

金正恩氏は自国民に対しては「自力更生」のスローガンを掲げ、長引く経済制裁に耐え抜く構えを訴えてきた。しかしながら、国連世界食糧計画などは3日、北朝鮮では数百万人が飢餓状態になる可能性が高まっており、人口の4割程度の1010万人が既に食料不足に直面していると明らかにしています。

金正恩氏は4月17日にも「新型戦術誘導兵器」の発射実験を視察したと報じられたが、その意図や兵器の種類は明かさなかった。国際社会の反応を見極めつつ、挑発を含めた出方を慎重に計算しているとみられる。

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