北朝鮮はなぜ韓国の南北共同連絡事務所を爆破したのか?けが人や死者はいたのか?北朝鮮の目的をわかりやすく解説

世界がコロナ蔓延にパニックの最中、北朝鮮は韓国との融和ムードを一転して6月16日に南北共同連絡事務所を爆破しました。
これによって、朝鮮半島情勢は緊張が高まっています。

そもそも、北朝鮮はなぜ事務所を狙ったのでしょうか。

というわけで今回は、北朝鮮が爆破した経緯とともに北朝鮮の思惑について解説していきます。

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爆破された日時は6月16日の午後

南北共同連絡事務所が爆破されたのは、6月16日午後2時50分頃のことです。

北朝鮮の朝鮮人民軍による「軍事境界線がある非武装地帯(DMZ)に侵入する準備がある」という警告から、わずか数時間後でした。

北朝鮮国営の朝鮮中央テレビも午後5時頃、事務所は「完全に破壊された」と放送。
現在は、4階建ての建物の3階と4階部分はなくなり、1階と2階は鉄骨だけという残っている状況です。

南北共同連絡事務所の爆破までの経緯

まずは爆破までの経緯を簡単に確認してみましょう。

6月4日、金正恩氏を批判するビラを飛ばした韓国の脱北者団体を批判したのが、北朝鮮の金与正(キム・ヨジュン)朝鮮労働党第一副部長です。

金与正氏は、金正恩氏の実の妹であり、金正恩氏が一番信頼している人物といっても良い人物です。
そのとき、韓国政府に対しても「なぜ黙認したのか」と強く抗議しています。

13日には、「近いうちに共同連絡事務所は崩れるだろう」といった金与正氏の意見を北朝鮮側が発表。
そして16日に爆破、という流れです。

共同連絡事務所は韓国のどんな場所で、どこにあるのか

共同連絡事務所は、2018年9月に開設された地上4階地下1階建ての建物でした。

2018年に3回行われた南北首脳会談の合意によって設置されたもので、韓国の文在寅大統領の南北融和政策の成果のひとつ。

開設後は、事務所を使って南北間の交渉や連絡、南北会談のための意思の疎通などを図ってきました。
そんな、いわば南北融和の象徴ともいえる事務所を今回北朝鮮は爆破したのです。

16日の爆破後、韓国大統領府は「朝鮮半島の平和を望む人々への裏切りだ」と強い遺憾の意を表明。
韓国国防省も、「北朝鮮が状況を悪化刺せ続けるなら強力に対応をする」と警告しました。

韓国の共同連絡事務所爆破でけが人や死者はいたのか?

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、今年1月からは無人になっていたようで、けが人や死者はいないものと思われます。

北朝鮮が共同連絡事務所を爆破した本来の目的

一体、北朝鮮はなぜ韓国の文氏を激怒させるほどの強硬な姿勢に出たのでしょうか。
韓国の脱北者団体による金正恩氏の悪口を書いたビラに対する報復措置のひとつとも言われていますが、おそらくこれは口実にすぎないでしょう。
なぜなら、これまでにも似たようなビラをバラまかれてきたからです。

考えられる狙いは3つあります。

● 経済支援
● アメリカへの挑発行為
● 金与正氏のお披露目

韓国からの経済支援

1つは、韓国政府に強い圧力をかけて譲歩させることで経済的支援を狙う、というもの。

北朝鮮は中国での新型コロナウイルスの感染拡大を受け、現在中国との国境を閉ざしています。

中国経済にどっぷり頼っている北朝鮮にとって、国境閉鎖はかなりの痛手です。

経済の悪化が酷くなることで生じる金正恩体制への不安を、韓国からの経済支援によって脱却したいのではないかと考えられます。

アメリカへの挑発行為

2つ目は、 融和の象徴を爆破することによって韓国との緊張感を世界に発信し、アメリカのトランプ大統領を挑発する、というもの。

このような荒っぽい揺さぶり方は北朝鮮の常套手段であり、これまでの核ミサイルの開発や実験の強硬姿勢とも通じます。

金与正氏のお披露目

もしも金正恩の重体説が事実であったなら、上記の狙いに加えて金与正氏のお披露目を込めた演出だった可能性も考えられます。

金正恩氏が引退すれば、後継者は実妹の金与正氏です。

金与正氏は女性ながら、現在の北朝鮮の金体制をつくった金日成(キム・イルソン)の孫ですからね。
正当に血を受け継いでいる人物なのです。

今回の爆破は、そんな金与正氏の存在を海外に知らせる大規模な演出であった可能性も否定できません。

北朝鮮はなぜ韓国の南北共同連絡事務所を爆破したのか?けが人や死者はいたのか?北朝鮮の目的をわかりやすく解説|まとめ

今回の爆破は、韓国政府への不満から仕方がない行為だった」では済まされない問題です。

北朝鮮の動きはどんな理由であれ、結果的に融和の流れを台無しにした行為として許されません。

今後、韓国への攻勢がエスカレートすれば、大陸間弾道ミサイルの発射や核実験などの挑発行為に発展する可能性もあります。

これからの北朝鮮の動きに対して、高い警戒心を持ったうえで注視する必要があるでしょう。

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