2020年5月、高級紳士服「ダーバン」や「アクアスキュータム」などのブランドを展開する老舗アパレル企業のレナウンが倒産しました。

新型コロナウイルスの感染拡大以降、国内の上場企業が経営破綻したのは初めての例です。

しかし、本当にレナウン倒産の原因は、新型コロナウイルスが直接的原因なのでしょうか。

今回は、レナウンの概要や経営破綻した原因・理由について解説していきます。

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そもそもレナウンの主力事業は何か?

レナウンは1902年の創業の、衣類の企画から製造や販売まで手広くおこなう世界最大規模のアパレルメーカーです。

たとえば、「ダーバン」「アクアスキュータム」「シンプルライフ」など30以上のブランドを展開していました。

しかし今回の新型コロナ禍により、 販売先の中心であった百貨店の休業が相次いだことで、売り上げが悪化。

5月15日の東京地方裁判所から民事再生手続き開始の決定を受けたことにより、経営破綻となりました。負債総額は約138億7900万円です。

今後は、中国企業に変わる新たなスポンサーを探す方針といいます。

経営破綻した原因は?

レナウンが経営破綻した原因は何だったのでしょう。

新型コロナウイルスの影響による「コロナ倒産」と世間では言われていますが、実際はレナウンの業績はコロナ以前から悪化していました。

今回の経営破綻の原因は、大別すると以下の3つが考えられます。

● 中国親会社との対立
● 販売形態と世間とのズレ
● 新型コロナウイルスの蔓延

中国親会社との対立

経済成長とバブルによってメキメキと発展したレナウンですが、実際はバブル崩壊から売上が徐々に低下していました。

つまり、約30年近くも業績は悪化傾向にあったのです。

悪化の理由のひとつに、90年代以降から台頭し始めた低価格で高品質であるファストファッションやネット通販(EC)サイトの存在があります。

これらの勢いに押されたレナウンは凋落の一途をたどり、2010年には中国の繊維会社大手の山東如意科技集団の傘下に入るも売り上げは低迷。

その結果、2017年と2018年で合計100億近い赤字経営に転落します。

その後、2019年も山東如意グループである香港企業に対する売掛金53億の回収の目処が立たず、赤字に。

2020年3月の株主総会では、山東如意科技集団がレナウンの会長、社長の再任に反対するなど、業績だけでなく中国親会社の関係も悪化していきました。

そうした、業績の低迷が続いた状況に新型コロナウイルスの感染拡大が重なったのです。

ショッピングモール型からEC型へと販売形態を移行できなかった

中国親会社との対立だけでなく、レナウンの販売形態も倒産に陥った原因のひとつです。

たとえば、ユニクロやしまむらなどは、自社の店舗やWEBサイトで自ら販売しています。

一方、レナウンは百貨店やショッピングモールをした販売戦略にこだわっていました。

このような百貨店への販売比率が高いという従来の販売形態がアダとなったのです。

また、顧客の高齢化もレナウンの競争力の低下に関係しています。

レナウンの顧客層はシニア層がほとんどで、新商品の開発対象も60代以上向けのシニア・シルバー向けのブランドばかり。

再浮上できるほどの売り上げが見込めず、競争力は落ちる一方でした。

新型コロナウイルスの蔓延

倒産への最終的なきっかけとなったのは、新型コロナウイルスの感染拡大でしょう。

レナウンの主な販路は百貨店であり、百貨店の成長とともにレナウンは大きくなっていったのです。

そんなコインの表のような存在であった百貨店が、新型コロナウイルスの蔓延によって相次いで営業自粛の動きが3月以降に全国的に拡大。

その結果、ただでさえ経営不振が強まるなか、売り上げがさらに激減したのです。
これが決定打となりました。

レナウン倒産の真の理由は中国に有り|経営破綻の原因・理由をわかりやすく解説|まとめ

かつての名門も、時代の流れに乗るタイミングを逃せば競争に負けます。

レナウンの倒産は、アパレル企業にとって、百貨店に大きく依存する従来型のビジネスモデルからの転換期の到来を示しているのでしょう。

アパレル業界に限らず、顧客の感情や習慣の変化にズレた企業が倒産するのは時間の問題なのかもしれません。

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