
今年6月、スルガ銀行が決算を修正したことから発覚した不正融資問題。
しかし、複雑な状況のため、問題の全容がわかりにくくなっています。
「結局、どういうことが起こったの?」と悩んでしまう方も多いでしょう。
そこで今回は、スルガ銀行の不正融資問題についてわかりやすくまとめていきます。
もくじ
発端は、スマートデイズ社の「かぼちゃの馬車」
今回スルガ銀行が不正に融資を行っていたのが、スマートデイズ(旧スマートライフ)という企業です。
この企業の自転車操業状態こそが、今回の問題の発端でした。
スマートデイズ社の「かぼちゃの馬車」とは?
スマートデイズ社は、首都圏を中心に運営する企業で、2012年8月に設立後、急成長している不動産会社です。
同社は女性限定のシェアハウス「かぼちゃの馬車」を建設し、これを上場企業のサラリーマンなど高所得者に売っていました。
このとき、同社が行っていたのがサブリース契約です。
通常のアパート経営は入居者の確保など所有者がすべて管理するのに対して、同社がシェアハウスの管理などをすべて行い、所有者に30年間家賃収入を保証するという契約を行っていました。
スマートデイズ社の実態
シェアハウス事業を展開していたスマートデイズ社ですが、実際には「かぼちゃの馬車」への入居率は低かったようです。
そして、2018年1月以降、スマートデイズ社は所有者への支払いを突然を停止します。
1棟で数億にもなる販売価格などがありましたが、その実態は家賃収入での利益以前に、別の売り上げやスルガ銀行からの融資金で補償するという自転車操業状態でした。
その結果、スマートデイズ社は破綻。
投資家は家賃収入が得られなくなり、スルガ銀行への返済ができなくなったことで、今回の問題が発覚したのです。
スルガ銀行の不正融資
不動産投資の審査基準がとりわけ緩いと評判のスルガ銀行ですが、スマートデイズ社の黒いビジネスについて何も知らずに融資を行っていたのならば、スルガ銀行は単なる事業融資を行っていただけで、被害者といえば被害者ですよね。
しかし、実はスルガ銀行もスマートデイズ社の改ざんを黙認しながら融資を行っていた可能性が高いといわれています。
銀行による審査を通りやすくするために販売業者が借入希望者の年や残高などを改ざんして銀行に提出する、もちろんこの行為自体が違法です。
今回のスルガ銀行の不正融資問題は、この違法行為が堂々とまかり通ったケースなので、組織ぐるみの疑いの追及は免れないでしょう。
スルガ銀行への処分検討、そして告発へ
今回の問題で、金融庁はスルガ銀行に立ち入り検査を行い、現在行政処分を検討しています。
相当数のスルガ銀行の行員が不正を認識していた可能性が高いということもあり、かなり重い行政処分も考えられます。
この処分によって、スルガ銀行の未来が決まるでしょう。
また、被害を受けたシェアハウスのオーナーたちは、スルガ銀行とスマートデイズ社に対して「有印私文書変造」の疑い、つまり、「私文書を勝手に改ざんしたこと」に対する刑事告発を行ったことが明らかになりました。
そもそも、スマートデイズ社のうたい文句は、30年のサブリースの保証と家賃収入以上の収益が見込まれるというものです。
誰が見てもリスキーな案件にスルガ銀行は積極的に融資していたのですから、スマートデイズ社との関係性を疑いたくもなりますよね。
スルガ銀行の不正融資問題|まとめ
ざっくりとスルガ銀行の不正融資問題についてまとめてみました。
今回のスルガ銀行の不動産の不正融資問題はもしかしたら氷山の一角であり、まだまだ似たケースが出てくるかもしれません。
今後もスルガ銀行の動向に目が離せない状況です。